年が改まり、皆さんには来年度の行動目標を考え始めて欲しいと思います。そこで現時点での私の考えをお伝えしますので、皆さんのヒントにしてください。

不透明だとしきりに言われている精神科病院の未来ですが、不透明なのは進め方やそのスピードについてで、方向性というのは既にはっきりしているのではないかと考えています。

簡単に言えば「入院規模は小さく、外来は幅広く」というのが将来の姿です。

患者さんの高齢化と入院日数の制限によって入院規模は縮小されていきます。長期入院者や認知症高齢者はいずれ「福祉」や「介護」の枠へ移行される可能が高いと思われ、病棟の施設化というのも現実味を帯びてくるかも知れません。現状に加えて退院者が増える分、アウトリーチやデイケアを含む外来の利用者のニーズは幅広くなっていくことでしょう。

こういった流れの中で、病院は何を大切にしていくべきでしょうか。

それは「短期の入院・退院者数をいかに多く維持するか」に尽きるのではないかと思います。その数が、存在意義としても経営的にも病院の生命線になります。

そのための改善、例えば外来のトリアージの在り方、入退院の手続きの円滑化、入院中の(コストの裏付けのある)関わりをより手厚くすること、病棟と連携した退院後の地域生活支援の体制強化といったことを、それぞれの部署でしっかり考えて活動目標に落とし込んでいってもらいたいと思っています。

今年も皆さんと力を合わせて乗り切っていきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

平成30年1月